急性低音障害型感音難聴

急性低音障害型感音難聴とは

突然耳がつまった様に感じられ、低い音だけが聞き取りにくくなる病気です。発作を繰り返すこともありますが、多くの場合めまいは伴いません。

 

急性低音障害型感音難聴の原因

耳の奥にある内耳の蝸牛という部位に異常が発生して起こります。蝸牛は音を感じて電気信号に変え脳に音の情報を送るところです。蝸牛はリンパ液という液体で満たされていますが、そのリンパ液が溜まりすぎることで内耳に浮腫(むくみ)が生じ、神経伝達がうまくいかなくなり聴力に影響を及ぼします。内耳のトラブルを起こす原因は自律神経のアンバランスが大きいと考えられています。崩す要因として、ストレス、肉体疲労、睡眠不足、体調不良の悪化が考えられます。つまり身体の疲れやストレスがあるとこの病気を発症しやすいと考えられます。

 

急性低音障害型感音難聴の病態

この病気は突発性難聴のように急に耳が聞こえなくなるわけではありません。なんとなく耳が聞こえにくい程度の軽い症状から始まることが多いのが特徴です。耳のつまり感を訴えることが多く、難聴については気づかない人もいるほどです。他にも、耳鳴りや自分の声が響いたり、いつもだったら平気な音に敏感になったり、こもったような聞こえを感じるような不快感を感じることもあります。

軽度の難聴では対面での会話は問題ありませんが、離れた所からの呼びかけに気づかない、複数人との会話や騒がしい所での会話がわかりにくいといった特徴があります。

突発性難聴は片耳のみで起こり、一度起こった側での再発はありませんが、この病気は両耳で起こることもあり、再発を繰り返すこともあります。

 

急性低音障害型感音難聴の治療

この病気は比較的症状が改善に向かいやすい病気です。個人差はありますが、症状が出現してすぐに対処すれば数日から数週間で治る可能性が高いと言われています。

薬物療法が中心で、利尿剤やビタミン剤、血液循環改善剤が用いられます。その他にもステロイド剤を使用する事もあります。薬の投与はだいたい1~2週間が多く、薬物による治療である程度内耳の浮腫(むくみ)が解消されてきます。

さらに症状の改善と再発の予防のために、1)十分な睡眠をとる。2)栄養バランスの良い食事やビタミンを多く摂取し免疫力をつける。3)適度な運動をする。4)趣味などでストレスを解消する、などに気をつけて生活をしていくことが大切です。

薬を飲み終わっても耳の症状が残っている場合は受診する必要があります。この病気は治療開始が遅れると症状が悪化したり、治るまでに時間がかかったりする場合があります。症状が強くないからと放置するのではなく、早期発見・早期治療が大切です。

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