嗅覚障害

嗅覚障害とは

食べ物の匂いや動植物の匂い、生活環境の匂いなど、通常当たり前に匂いを感じていますが、強い匂いしか分からなくなったり(嗅覚低下)、全く匂いを感じなくなったりした場合(嗅覚脱失)は治療が必要になります。

嗅覚障害の原因

嗅覚障害の原因で最も多いものは風邪(普通感冒)によるものです。風邪のウイルスは鼻を通して体に入ってくることが多く、鼻腔の奥にある匂いを感じる神経(嗅神経)が直接ダメージを受けることが少なくありません。一般には風邪が治ると嗅覚も戻りますが、1週間から10日間経っても嗅覚が戻らないケースは嗅覚障害と判定されます。その次に多いのが副鼻腔炎(蓄膿症)、重症のアレルギー性鼻炎を原因とするもので、きちんとした治療を受けていない場合に嗅覚障害が生じます。その他、転倒などによる頭部外傷、鼻中隔彎曲症、老年変化が原因となります。また先天性の嗅覚脱失もあります。

嗅覚障害の病態

感冒後の嗅覚障害はウイルスによる直接的な障害ですが、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎による嗅覚障害は匂いの分子が嗅神経にまで届かないことで匂いが弱くなります。副鼻腔炎の場合は 鼻漏とともに鼻茸(鼻ポリープ)による閉塞も影響します。アレルギー性鼻炎は軽症の場合は嗅覚障害もほとんど生じませんが、中等度から重度になると鼻粘膜の強い腫脹(腫れ)によって匂い分子が全く神経に届かなくなります。
頭部外傷では神経の固まりである嗅神経がダメージを受けて匂いを感じた信号が脳に届かなくなると考えられています。その他年齢変化でも嗅神経の衰えによる嗅覚障害が知られていますが、原因不明の嗅覚低下もかなりの割合で見られます。

嗅覚障害の治療

必要に応じてレントゲン検査、経鼻内視鏡検査、静脈性嗅覚検査、血液検査など各疾患に応じた治療を行っていきます。
副鼻腔炎、鼻炎の場合は、内服薬(抗アレルギー薬、抗生剤、経口ステロイド薬)ステロイド点鼻薬を処方し治療を勧めていきます。

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