扁桃炎・咽喉頭炎
扁桃炎・咽喉頭炎の原因
扁桃炎や咽喉頭炎はウイルスや細菌の侵入によって起こる病気です。疲れが溜まっていたり、風邪を引いて体力が低下していたりする時などに、色々な病原体に対して免疫力が不十分な場合、病原菌やウイルスが増え、炎症を起こします。
また、夏になるとエアコンを使用する機会が多くなり、内と外との気温差で体調を崩しやすくなったり、また朝、夕の気温差で体調を崩しやすくなったりする夏風邪もウイルスによって起こる感染症です。
夏風邪
「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」「手足口病」などがウイルスによって起こる夏風邪です。
子供に多くみられますが、子供から親に移ることもあります。
扁桃炎・咽喉頭炎の病態
扁桃炎、咽喉頭炎にかかると、発熱・喉の痛み・全身のだるさ・頭痛・関節痛に加え、顎の下や首のリンパ節の腫れ・耳痛・側頭部痛などの症状がみられます。また嚥下痛(飲み込むときの痛み)を伴うため、水分や食事の摂取が困難になることもあります。その他扁桃に白い塊(膿栓)がみられることもあります。
膿栓は扁桃腺が細菌を退治した死骸です。扁桃腺が機能しているという証拠なので痛みやその他の症状が見られず、膿栓だけが付いているという場合は特に問題ありません。
一方膿栓が見られ発熱に伴い喉の痛み、リンパ節の腫れなどの身体的症状が見られる急性扁桃炎を年に4、5回以上繰り返す場合は扁桃腺の摘出術を受ける対象となります。
扁桃炎・咽喉頭炎の治療
ウイルス性扁桃炎、咽喉頭炎の場合は抗生剤は無効です。発熱や痛みを和らげるために解熱剤や消炎鎮痛剤を使用し、うがいを行い水分補給をし安静にする事です。
細菌性扁桃炎、咽喉頭炎の場合は抗生剤や解熱剤、消炎鎮痛剤を使用します。水分や食事の摂取が困難な時には点滴治療を行う事もあります。
扁溶連菌感染症(注意すべき扁桃炎)
要注意の扁桃炎として「溶連菌感染症」があります。Streptococcus pyogenes(A群溶血性レンサ球菌)という細菌が原因で起こる扁桃炎・咽頭炎で、さらに皮膚感染症、中耳炎、産褥熱、リウマチ熱、急性糸球体腎炎、壊死性筋膜炎などを引き起こすこともあります。抗菌薬に対しては感受性が高く、いわゆる耐性菌もほとんど検出されていませんので指示されたとおりに抗菌薬を服用すれば治癒します。ただ、症状が軽くなったからと言って途中で薬を止めると再発することが多く、また家族間で感染することもしばしばある点は注意すべきです。医師から「溶連菌が検出されました」「溶連菌検査が陽性でした」と説明を受けた場合はきちんと指示に従ってください。