アデノウイルス感染症・RSウイルス感染症

アデノウイルス感染症・RSウイルス感染症とは

RSウイルス感染症、アデノウイルス感染症は大まかに言えば、子供に見られる強い風邪と言うことになります。これらのウイルスは特別なものではなく、小児の風邪の原因としては以前からよく知られているものです。精度の高い検査キットが普及したので、一般の診療所でも容易に診断がつくようになりました。特徴としては強い咳症状と発熱が突然発症することで、粘稠な鼻汁や咽頭痛を伴うことも多いです。インフルエンザに似た症状ですが、小学生以上で罹患することは非常に少ないのが特徴です。感染力が比較的強いので、保育園や幼稚園のような集団生活で一気に流行することも少なくありません。

アデノウイルス感染症・RSウイルス感染症の症状

RSウイルス、アデノウイルスともに強い風邪症状を引き起こします。子供の風邪は少量の鼻汁から始まることが多いのですが、このウイルスでは急に日中・夜間を問わず咳症状が出始めて、時に38℃を超える発熱を伴います。診察すると鼻の粘膜やのどの粘膜が赤く腫れていることが多く、食欲が落ちることもあります。咳や発熱症状が4,5日続いて、症状が治まってきます。2,3歳以上であればあまり心配は要りませんが、1歳未満の乳児の場合は肺炎を来すことがあり、入院治療を要するケースもあります。兄弟・姉妹間でうつることもよくありますので、小さいお子さんがいる家庭では十分な注意・観察が必要です。

アデノウイルス感染症・RSウイルス感染症の治療

RSウイルス感染症、アデノウイルス感染症はその原因が細菌では無くウイルスであり、抗生物質が効きません。またインフルエンザなどのようにウイルスの増殖を抑える効果を持つ薬も現時点では発売されていません。上記のように多くの場合は症状が4,5日続いて軽快していくケースがほとんどですので、その間の症状を軽くするために鼻炎で使う薬や、咽頭炎や気管支炎で使う薬を投与します。ただ、薬を使っても症状が完全に抑えられるわけでは無く、基本は安静と睡眠、水分摂取です。乳児で高熱で元気がなくなったり、咳のしすぎで眠れない状態が続いたりする場合は小児科での診察が必要になります。

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